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ミノキシジル×超音波が薄毛を救う。Dクリニックの最新研究が世界毛髪研究会議で最高賞を受賞

 

ミノキシジル×非接触振動圧(超音波)が、発毛を促進――。日本医科大学との連携によりDクリニックが推進する「日本医科大学形成外科アンファー寄付講座」の研究が、毛髪研究の最先端技術が集結する世界毛髪研究会議において、最高賞 【The Best Oral Presentation Award】を受賞しました。将来の毛髪医療を大きく変えるかもしれない、可能性に満ちた受賞内容をご紹介します。

毛髪研究の最高峰 「世界毛髪研究会議」

世界毛髪研究会議は、国際毛髪学会(World Congress Hair Research)が開催する国際会議。日本を含めた世界各国の6団体から構成され、世界を代表する研究機関の医師・研究者が集結します。この会議では、基礎研究から臨床研究、症例報告まで、毛髪に関するあらゆるジャンルの最新研究が報告され、世界のトレンドを余さず把握することができます。中でも、多くの研究から事前審査によって価値を認められた演題だけが狭き門をくぐり抜けてOral Presentation(口頭発表)に進むことができ、その中から2演題が最高賞として選出されます。

国際毛髪学会(World Congress Hair Research)

第11回目となる2019年は、スペインのバルセロナで開催。800名の研究者と世界各国の関連企業が参加する中、55の演題がプレゼンテーションされ、抗加齢予防医学講座准教授の高田博士が演者を務めた、私たちの研究「ミノキシジルと同じカリウムチャネルの活性化を示す非接触振動圧は、発毛に寄与するか?」が、最高賞の栄誉に輝きました。

「ミノキシジルと同じカリウムチャネルの活性化を示す非接触振動圧は、発毛に寄与するか?」の研究発表会

発毛のメカニズム解明から実証まで。一貫した研究で高い評価を獲得

最高賞を受賞した、「ミノキシジルと非接触振動圧」についての私たちの研究について解説していきます。 ミノキシジルは、もともと血圧を下げる降圧剤として用いられていましたが、副作用として呈する多毛の症状が効能として認められ、1988年にFDA(アメリカ食品医薬品局)に発毛剤として認可された薬剤です。高い発毛効果があることは誰もが認めるところですが、その詳しいメカニズムは、今まで明らかになっていませんでした。その解明の一端となるかもしれないのが、「カリウムチャネル」です。
「カリウムチャネル」は、身体のほぼ全ての細胞内にある、イオンチャネルと呼ばれるものの一つ。カリウムを選択的に細胞内外に通過させ、細胞の維持を助ける役割を担っています。ミノキシジルにカリウムチャネルを開ける作用があることを突き止めた私たちは、この作用が発毛効果に結びつくのではないか? と考え、研究を開始しました。するとミノキシジル(薬剤)だけでなく、物理的な刺激(非接触振動圧)にも、同じようにカリウムチャネルを開ける作用があることがわかり、この2つを組み合わせると、カリウムチャネルの開口がより促進・活性化されることが判明しました。

実験画像

日本医科大学形成外科で開発中の「非接触超音波発生装置」を用いた生体(マウス)実験では、 ●非接触振動圧により、剃毛マウスの発毛が促進される ●毛乳頭細胞に非接触振動圧を加えると、発毛遺伝子(FGF7、WISP1)の発現が増幅される ●ミノキシジルと振動圧を加えた部分の皮膚で発毛遺伝子の発現が亢進、徐々に周囲へも遺伝子発現が広がる という結果が実証されました。

マウスの実験画像 マウスの実験画像 マウスの実験画像

この研究が高い評価を受けた理由は、「この治療で、こう変化した」という断片的な報告にとどまらず、
・発毛のメカニズム(カリウムチャネルへの作用)を解明
・ミノキシジル(薬剤)だけでなく、非接触振動圧(メカノバイオロジー)にも同様の作用がある
・生体実験により効果を実証
と、上流の基礎研究~臨床実験までのストーリーを明確に示し、多様な治療法の可能性を広げたことにあります。

【コラム】カリウムチャネルは、新しいAGA治療法開発の鍵?
AGA(男性型脱毛症)の発症は、生活習慣病と大きな関係があり、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、冠状動脈性心疾患、肥満などがあると、AGAの発症リスクも高くなると言われています。裏返せば、AGAと生活習慣病は、共通の作用で改善できる可能性もあるということ。ミノキシジルがAGAと高血圧の両方に効果があるように、カリウムチャネルを解明することで、糖尿や心臓の治療法から、新たにAGAを治療できる作用を持つものを見つけることができるかもしれません。

非接触超音波発生装置は、すでに治療現場での試験導入を開始。ミノキシジルとの併用でより高い発毛効果が発揮されることに、国内外から大きな関心と期待が寄せられています。

実験中の研究者たちのイメージ

新たな発毛研究への取り組みも続々

世界毛髪研究会議では、上記のほかにも、発毛において有望な可能性を持つ、 さまざまな成分についての研究報告を行いました。

1. 植物エキスであるカッコンエキスとゲンチアナエキスが、ミノキシジルの効果を高める
外用のミノキシジルは、頭皮の真皮内にある「硫酸転移酵素」の量が多いほど、発毛効果を発揮します。本研究では、表皮細胞にカッコンエキスとゲンチアナエキスを添加し、細胞内の硫酸転移酵素の濃度が上昇することを確認しました。
グラフ
2. シスチンが毛髪の成長と、ミノキシジルの発毛促進で果たす役割
シスチンは、毛髪中たんぱく質の約17%を占めるアミノ酸。2018年には、髪の毛の元となる毛母細胞が毛髪の材料としてシスチンを取り込んでいることが判明、シスチンがなければ細胞が増殖できないことを発表しました。本研究では、シスチンがミノキシジルの発毛効果に影響しているかを検討するために、ミノキシジルによって産生される成長因子の一つであるFGF-7を用いて検討した結果、ミノキシジルとシスチンを併用することで発毛効果が増強されることが示唆されました。さらに、そもそもシスチンが不十分であるとミノキシジルの発毛効果が発揮されづらい可能性も考えられました。
シスチンのミノキシジル発毛効果への影響を表すグラフ
3. 豆乳発酵液の毛髪成長効能
大豆からつくった豆乳を、乳酸菌で発酵させて作製する豆乳発酵液。女性ホルモン(エストロゲン)様作用を持つイソフラボンを豊富に含むことで知られています。細胞実験では、毛乳頭細胞に豆乳発酵液を加えると高い細胞増殖効果があること、また、AGA(男性型脱毛症)の原因となる酵素、5αリダクターゼの働きを抑制する効果があることが判明しました。また、22歳~55歳まで46人の健常男子を対象に豆乳発酵液を用いた臨床試験を実施し、髪の密度、成長率、太さについて変化を計測。いずれも豆乳発酵液を使用した対象者に効果が見られました。
髪の密度のグラフ
髪の成長率のグラフ
髪の太さのグラフ

既存の原因とされているものに捉われることなく、新しいアプローチで脱毛や発毛の原因を見つける。基礎研究によってメカニズムを解明する。新しい成分やメソッドに積極的にトライし、効果を実証する。そうして新しい治療法や治療薬へと繋げていくのが、私たちの使命です。これからも、毛髪に悩む方々に画期的な情報をお届けできるよう、弛まぬ研究を続けていきます。

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